2020年の振り返り
気がつけばあとちょっとで今年も終わりということで駆け込みで振り返っていきます。
仕事
3年目になりました。
昨年から作っていた機械学習を組み込んだシステムをようやく本番リリースできたり、データを活用するためにいろいろ環境を整備したりと、自分のやりたいことが少しずつ形になってきた1年間でした。 一方で人を巻き込んで物事を動かすことの難しさを感じたり、やることが増えて抜け漏れも発生してきたりと次の課題も見えてきた1年間でした。
今年はリモートワークという大きな変化もありました。 元々テキストコミュニケーションが多い環境だったので仕事についてはあまり困りませんでしたが、ON/OFFの切り替えに最初は苦労しました。 リモートワークは難しい点もいろいろありましたが、将来地元に帰って仕事がしたいと思っている自分にとっては良い経験ができたと感じています。
登壇
今年は2つのイベントに登壇しました。
どちらもオンラインでの登壇だったのでリアクションが見えず苦労しましたが、自分なりに良い準備をして臨めたと思います。 今後も定期的に発表できるようにこつこつ成果を出していきたいなと思います。
Customer Support Tech Meetup #1で登壇しました\( ‘ω’)/ - mitsulog Developers Summit 2020 Summerに登壇しました٩(ˊᗜˋ*)و - mitsulog
読書
今年は21冊の本を読みました。
元々読書が大の苦手で活字を見ると眠気がくる体質だったのですが、今年は仕事を通して勉強したいと思うことが多く例年より多くの本を読むことができました。 昨年は10冊だったので2倍読めたということで少しは成長したのかなと思います。 とはいえ読書量は少なく仕事に直接必要な本に偏っているので、来年はもっと頑張っていろいろな本を読んでいきたいです。
読んで良かったなと感じた本をいくつか書き出してみました。 今年はよくお勧めされている有名な本をこつこつと読んでいましたが、お勧めされる本にはそれだけの理由がきちんとあるんだなと感じました。
- 人を動かす
- イシューからはじめよ
- シン・ニホン
- 競争しない競争戦略
- 仮説思考
- カイゼン・ジャーニー
プライベート
今年は様々なイベントが中止になってしまったので、ライブ・フェス参戦やスポーツ観戦などなど今年やりたかったことはあまりできませんでした。 多くのライブハウスやアーティストがクラウドファンディングを募る状況にもなり、一時期は今後がどうなっていくのだろうかと感じていました。 しかし、オンラインライブが開催されるようになって気軽にアーティストのライブが見れるようになったり、ライブで繋がった友達ともオンライン飲み会をするなど、音楽との関わりは深かった1年になりました。
また、新しい生活を楽しむために新しいことを始めた年でもありました。 ゲームをするためにPCを買ったり、運動不足・外出不足を解消するためにロードバイクを買ったり、反強制的ではありますが新しいことに取り組んだという意味では充実した1年にすることができたかなと思います。
改めて自分の生活はエンタメとそのエンタメで繋がった人に支えられていると感じた1年でした。 エンタメは不要不急と捉えられ肩身の狭い側面もありましたが、何かできることがあれば貢献していきたいなと思っています。
まとめ
今年は大きな変化があり変化に対応することで精一杯な印象でしたが、振り返ると仕事でもプライベートでも着実に前に進めた1年でした。 変化に対して自分はどう行動すれば良いのだろうと考え前に進もうという姿勢を持てたのが良かったのかなと感じています。
来年は社会人としては4年目になり3年目までとは違う次のステージに入るような気持ちがしています。 とはいえまだ20代の若手ではあるので、若手らしく大胆に様々なことにチャレンジしていきたいと思います。 この先どうなるかはまだまだ見えない状況ですが、それぞれの時に自分なりのベストを尽くしていけば良い方向に進むと信じてこつこつ生きていきたいと思います。
Customer Support Tech Meetup #2で登壇しました(〃^∇^)ノ
先日ミクシィ主催で「Customer Support Tech Meetup #2」を開催しました。
僕は「問い合わせ対応のデータを宝の山にするために」というタイトルで#1に引き続き発表しました。
発表内容について
データを活用して何かをするにあたり、まずは正しいデータを収集しなければデータを活用することはできません。 大量のデータがあるから分析したいという時に泥臭いデータクレンジングから始まると思いますがデータの質のよっては全て再収集する必要があります。
今回はデータの質の問題でデータ活用ができなかった事例を通して、質の悪いデータが生まれるいくつかのパターンについて紹介しました。 紹介した事例は以前ブログで紹介されている事例だったのですが、少し掘り下げて詳しく話をしました。
発表の裏話: なぜこのトピックで発表したのか
今回このトピックを選択した理由は、僕が機械学習を用いたCSの改善を進める中で機械学習のモデルを組む部分よりもデータセットを用意する部分で苦労したという経験があるからでした。 また、良質なデータセットを作成するためにはデータについて理解が深いCSの方がいる、もしくはCSとエンジニアが協力することが必要不可欠だと感じたため、そのことが伝えられればと思いながら発表しました。
技術的な観点で考えると、現在「AIを作成する」ということ自体は難しいことではなくなっています。 AWSやGCPではデータセットだけ用意すれば自動で学習してもらうことができたりします。 機械学習を使ったことが無い人であっても本を読んだり参考になるコードを見ながらモデル構築はできますし、世の中にない新しいモデルを構築して学習するとなると話は別ですが、まず手始めに試してみるということのハードルは非常に低くなっています。
しかし、どれだけクラウドサービスなどが充実して機械学習を誰かに任せられるとしても、データセットを用意するということに関しては必ず行う必要があります。 データセットの用意まで他社のサービスが代替してくれることはありえないでしょう。 SaaSを導入すればデータを見ていい感じに推薦などしてくれるかもしれませんが、どこまでいっても「問い合わせにラベル付けをおこなうこと」は必ず行う必要があります。 (教師なし学習の利用によってこの辺りもなくなることがあるのかもしれませんが、、)
そのため、CSでAIを活用して何かしよう!と思った時に力を注ぐべきはAIを作成することではなく良質なデータセットを集めることです。
そして、大量の良質なデータセットを集めるためには日々の運用フローの構築が大切になります。 データが必要になった時に0から蓄積するのは大変ですし非常に多くの時間が取られてしまいます。 しかし良い運用フローを構築できれば日々問い合わせ対応をするだけで良質なデータが蓄積されていきます。
ではどのような運用フローを構築すれば良いのかというと、それはそれぞれの現場に依ると思いますし、絶対的な解はなく常に解を求め続ける必要があると思っています。
おまけ: CSのデータ分析がプロダクトにとって大切な理由
問い合わせ対応のデータは顧客の声そのものであり、プロダクトを成長させるために重要な役割を果たすデータだと思っています。 特にCSの持っているデータはプロダクトの中で得られるデータを組み合わせることでより多面的にユーザーやサービスを分析することができます。 そして、このような分析ができるのはCSのようにプロダクトの外で得られるデータを持っているチームだけです。
CSの持っているデータとプロダクト内で得られるデータをフルに活用するためにはCREのようなCS専属のエンジニアが必要と考えています。 また、様々な理由でCREを置けないとしても、データについて理解のあるCSの方が増えればデータ活用への道は大きくひらくことができると考えています。
最後に
弊社のCS・CREもまだまだデータをフル活用できているとは言えません。 ユーザーへの返信の早さ・質を保ちながら(できれば向上しながら)良質なデータを蓄積するための運用フローを考え、実際に蓄積されたデータを活用するためにはやらなければならないことがまだまだ多くあります。 エンジニアとして様々なモノを作りつつ、作るだけでなく機能させていくというところは大変ではありますが、CSがどんどん変わっていく様子を見るととても楽しいと感じます。
もしこのようなCREの仕事に興味を持ってくださった方がいれば、絶賛採用中なので話を聞くだけでもぜひ来てください!
Developers Summit 2020 Summerに登壇しました٩(ˊᗜˋ*)و
Developers Summit 2020 Summer に登壇させて頂きました!
今回は「人の仕事、機械の仕事。エンジニアによるカスタマーサポート改善」というタイトルで発表しました。
発表を終えて
CS・CREの紹介と機械学習を活用してCSのオペレーションを改善した事例を紹介しました。 この事例については過去に何回か紹介しているのですが、今回はイベントのテーマに沿って開発を進める過程でどのように考え行動してきたのかに焦点を当ててお話させて頂きました。
今回伝えたいなと思っていたことは、弊社のCSでは人が人にしかできないことに力を発揮するために技術を活用しようとしていること、機械学習は特別な難しい技術ではなく触ったことの無い人でも利用できるということ、そして簡単な仕組みでも実際に導入することで非エンジニアのAIに対する考え方を変えることができるということです。
今回のデブサミのテーマは「デベロッパーが推進するDXと開発プロセスの変革」でした。 DXにおいてAIは切り離せないワードかと思いますが、多くのエンジニアや会社を見るとAIに対して特別なものという見方をしているように感じます。(機械学習エンジニアという枠での採用を多く見るといったことなどから)
実際機械学習をするためには数学的な理論やデータの扱い方など一般的なサーバーサイドエンジニア等とは異なるスキルセットが求められると思います。 しかし、機械学習というのは手の届かない何か特別なものではなく、新しいプログラミング言語やdockerなどの技術を学ぶ感覚で機械学習やAIといったものを捉えても良いのではないかと感じています。 特にこれからの未来ではAIが当たり前に利用されることも考えると、ハードルを下げることでより多くの人がAIに馴染みがある状態を目指す方が良いと考えています。 サーバーサイドエンジニアがクライアント側についての理解があると良いことと同じように、機械学習についても知っている・実装できるエンジニアが増えると組織としては円滑に開発が進むと思います。
僕が機械学習を利用する中で感じたことは、思っていたほどハードルは高くないということと、機械学習への理解を深めることで問題解決としての技術の幅が広がるということでした。 もちろん難しいタスクを解く賢いモデルを作るためには専門的な知識・スキルのあるエンジニアが必要になりますが、簡単なタスクであれば少し機械学習について勉強すれば誰でもモデルを実装できます。 また、ちょっとした改善や効率化であれば簡単なモデルでも十分だったりします。 機械学習ならではのハマりポイントもあると思いますが、多くの事例や考えるためのフレームも出てきているので、昔ほど未知のものではないと思います。
そのため、今回の発表ではできるだけ機械学習に対する心理的障壁を下げることができれば良いなと思いながら発表をしました。 プレゼンの中でどこまで伝わっているかはわかりませんが、デブサミの概要にあるように「開発者が世の中の変革を力強く楽しく推進していくためのヒント」を少しでも提供できていれば嬉しいです。
最後に、今回このような情勢の中イベントを開催し運営してくださった方々、本当にありがとうございました。お疲れ様でした!
新卒でCustomer Reliability Engineer(CRE)を選んで良かったこと=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
新卒でCustomer Reliability Engieer (CRE)になってからもうすぐ2年が経過しようとしています。早い!
配属された時になぜCREを志望したかを書いたのですが、今回は新卒でCREというキャリアを選択するとどうなるのかの例として僕の2年間を紹介したいと思います!
2年間CREとしてどういう仕事をしてきたのか
まずはこの2年間でどのような仕事をしてきたのかを紹介します。
- CSスタッフが利用する管理ツールの運用保守
- 問い合わせ起因の技術的調査
- CSスタッフの業務効率化のためのツール作り
- 手動での集計や分析をツール化
- 新規サービス用の問い合わせ対応環境の構築
- CSスタッフ用管理ツールの立ち上げ
- 窓口やFAQ等の環境構築(Zendesk)
- 問い合わせデータを分析するための基盤構築
- 返信テンプレを推薦し問い合わせ対応を効率化する仕組みの構築
定常業務として既存の管理ツールの運用保守・技術的調査を行いながら、主に返信テンプレを推薦する仕組みを構築していました。 また、新規サービスの開始に伴い新しい管理ツールの開発や問い合わせ窓口の構築などもおこないました。 運良く2年間の中で立ち上げ・運用・改善と一通りの経験をすることができました。
新卒でCREを選んで良かったところ (身についた力)
技術
- 大規模なシステムの挙動を把握する力が身についた
- コードリーディング力
- SQLやログを見る力
- 大規模なシステムの構成や工夫に関する知識
- 大規模なシステムでよく起きる問題に関する知識
- インフラからフロントまでの一通りの開発経験が得られた
- 自然言語処理の知識・開発経験が得られた
CREでは定常業務として問い合わせ起因の技術的調査をおこなっていますが、この調査で得られる力はエンジニアの基礎としてとても大切な力だと思っていて、身につけられて良かったと感じている力になります。 問い合わせ起因の調査とは「事実確認」と「事象説明」のための調査です。 この「事象説明」が特に大変な点で、システムで何が起きているのかを正確に把握し言語化する力が求められます。 問題があった場合にはどのような問題を起きていたのか・なぜその問題が起こったのか、問題がなかった場合でもどのデータを根拠として問題は起きていないと判断したのかをわかりやすく説明できないと問い合わせたユーザーは納得ができません。 また、問い合わせ起因の調査ではそのユーザーの環境では発生したが他のユーザーでは発生していない問題を基本的には扱います(全てもしくは多くのユーザーに影響のある問題の解決はプロダクトのエンジニアが担当するため)。 単にコードを読むだけではなくDBのレコードやリクエストの順番、キャッシュやバッチ処理など様々な要素を見てシステムがどのような挙動をしていたかを調べる必要があり、最初はとても難しいのですが複雑な事象の原因を掴めた時にはちょっとした達成感があります。
技術的には幅広くいろいろ触ることができました。 CREはサーバーサイドエンジニアやインフラエンジニアなど技術で切られた職種ではないため、技術的にはインフラからフロントまで全てを担当します。 簡単な処理をさくっと実装してサーバーレスで動かすといったことは素早くできるようになったと思います。 また、弊社のCREは複数のサービスに携わるため言語やFWも様々経験することができました。 一つを深くということはあまりできていませんが、どんな技術でもさくっとキャッチアップしてとりあえず動かすということはできるようになったと思います。
一方で深く関わった部分としては自然言語処理(問い合わせ分析)があります。 CREは基本的に問い合わせを扱うため、形態素解析してごにょごにょしたり、ベクトルにして可視化したりといったことができるようになりました。 大量の問い合わせデータの加工・分析をおこなうだけでなく、分析しやすい形式でデータを保管したり必要なデータを簡単に取得するための環境を整えたりもしました。 また、僕の場合は機械学習をする機会があったので自然言語関連の機械学習に関する知識も身につきました。
技術以外
- プロジェクトマネジメントの知識・経験が得られた
- コミュニケーション能力が鍛えられた
- CSのオペレーションに関する知識が身についた
- オペレーションの分析・課題発見・解決策提案の経験が得られた
- 割り込みや複数プロジェクトを担当する時のタスクマネジメントの方法が学べた
弊社のCREは案件に対して1人の担当者がつき、その人がステークホルダーとコミュニケーションを取りながら案件を進めるというスタイルです。 もちろんチーム内で相談することはありますが、基本的には担当者が意思決定権を持ちそれぞれが持つ案件をごりごり進めています。 その中で僕は「返信テンプレの推薦による問い合わせ対応効率化」という案件を持ち、アプリ開発・インフラ構築等からCSの方とオペレーションにどう組み込むかの調整まで一貫しておこないました。 半期での目標設定やタスク・スケジュール管理、人的リソースが必要な時は相談して協力者を募ったり、自分の案件を進めるために必要なことは全ておこないましたが、正直ここが一番難しく一番力がついた箇所かなと感じています。
CREはまだ人が少ないため一人の担当範囲が広く裁量が大きいという特徴があります。 業務も明確に決まっている訳ではなく、自分が手を上げれば何でもチャレンジできる環境だと思います。 また、常に新しいことにチャレンジしているので参考にできる事例はあまり多くなく、プロジェクトの未来も不透明でとにかく自分の頭で考えて行動することが求められます。
このような環境・働き方のため、プロジェクトマネジメント力やコミュニケーション力を身につけることができました。 また、弊社のCREはCSの改善を進めるチームなので、CSのオペレーションに関する知識や課題を発見するための分析力も身につけることができました。 課題発見からおこなうため、解決策を複数考え開発工数や影響範囲などを見てどの解決策を実行するのかを決めるという経験もできました。
他には割り込みが多く複数サービスを見るチームなのでタスクマネジメントについても身につきました。 割り込みが多くて進めたいものが進まないとか、頭の切り替えが多くて効率が悪いといった問題はそこそこコントロールできるようになってきた気がします。
おわりに
振り返ると技術面でもそれ以外の面でも課題解決のための基礎力が身についた2年間でした。 自分にできることで課題解決を考えるのではなく必要な技術を都度インプットし成長しながら成果も出していくということや、全て自分の力で解決しようとせず時にはお金で解決したり他の人を巻き込んで解決することも選択肢として持っておくことなど、様々な学びがありました。 このような学びが得られたのは、CREという新しい職種の価値を発信するためにはまずは語れる成果が必要と思い、とにかく課題を解決することに集中し続けられたおかげだと思っています。
CREは比較的新しい職種でありよくわからないという人が多いと思います。 特に新卒となるとまだまだ人が少なく、どのような仕事ができるのか・スキルが身につくのかがわからず興味があってもなかなか選びにくい選択肢になっているかもしれません。 そんな人たちが少しでもイメージできるようになれば良いなと思い、僕のCREとしての2年間を振り返ってみました。 CREというキャリアに少しでも興味を持ってもらい、選択肢の1つとして考えていただければ嬉しいです。
参考リンク
やったこと集
やったことの中でブログを書いたり登壇したものを集めてみました。 技術的な詳細について興味があればこちらも参考にしてください。
Customer Support Tech Meetup #1で登壇しました\( ‘ω’)/
先日ミクシィCRE主催で「Customer Support Tech Meetup #1」を開催しました。
僕は「ユーザーも驚きの高速かつ正確な対応をAIを用いて実現する」というタイトルで発表しました。
アーカイブも残っているので興味を持ってくださった方はぜひ見てみてください。
発表について
テンプレ推薦を用いてCSの問い合わせ対応を高速化する取り組みについて紹介しました。 今回機械学習からCSのオペレーション設計、モデルとZendeskの繋ぎこみまでの一通り全てをおこなったのですが、その全体像をざっくりとお話させていただきました。 CSの方もエンジニアの方も参加されていたので誰に向けてどういう発表をするのかは結構悩んだのですが、CSの改善を効果的に進めるためにはCSとエンジニアが協力する必要がある!ということを伝えたいなーと思いながら発表しました! (Twitterを見ると少しは伝わった様子だったので良かったです、、)
多くのサービスではプロダクトの開発をおこなっているエンジニアがCSのための管理ツール作りもおこなっているという状況だと思います。 このような環境ではエンジニアの中でCSに対する優先度が機能開発よりも低く設定されていたり、CSもエンジニアに依頼しづらく運用でカバーしている部分も多いのではないかなと思っています。 ある程度の問い合わせ件数までであればCSのパワーでカバーできるかもしれませんが、サービスが成長し問い合わせ件数が増えると技術をうまく活用しながら効率化を進めていく必要があります。
しかし、CSのオペレーションを技術で改善していくという事例はあまり共有されておらず、どのように進めると効果的に改善できるのか、どこがハマるポイントで事前に何を気をつければ良いのかといったことがわからないと感じていました。 そこで今回はソリューションよりプロセスに重きを置き、僕が経験した問題や工夫したことを交えながら事例を紹介させていただきました。 1つでも新しい観点や気づきを提供することができ、みなさんのCSの改善に役立てそうであれば嬉しいです。
Twitterの様子
当日はオンライン開催ということでTwitterで様々な声を聞くことができました。
一部にはなりますがどのような声があったのか紹介しつつ、発表では話せなかった補足コメントもしていきます。
ゲームのお問い合わせ対応はテンプレ対応がかなりの割合を占めるので自動化の恩恵を受けやすいよなー #mixiCSTechMeetup
— なおぱー (@naopr) 2020年3月25日
テンプレ対応が多いサービスだと自動化の効果はとても高いですね。 テンプレ対応は1件1件の対応時間を見るとコピペするだけなので十分早く、これ以上改善する必要があるのかと思いがちな対応なのですが、件数が多いと塵も積もって大きな効果になると思います!
そうなんです、不可欠なんです!二人目はAIによるテンプレ対応の効率化。テキストの機械学習だと思われ。#mixiCSTechMeetup pic.twitter.com/mZOPGsdkO0
— CS HACK@中の人 (@cshackJP) 2020年3月25日
カスタマーサポートの現場の経験や知識、エンジニアの技術の掛け算で、初めて価値が生まれる、と理解。#mixiCSTechMeetup pic.twitter.com/O2me1llRI7
— 小田 志門(Karakuri カラクリ CEO) (@shimonu) 2020年3月25日
今回伝わると良いなと思っていた点についてのツイートもあり嬉しい限りです。 完全に分かれる訳ではないですが、何を改善するのかはCS・どうやって改善するのかがエンジニアの領域になるので、両輪が揃わないとなかなか改善は進まないというのが僕の肌感です!
AIによってテンプレ推薦がされ、オペレーターが目視で対応可否を判断。対象範囲と正解率はこれから徐々に上がっていくのか。自然言語は難しいのです。。。
— CS HACK@中の人 (@cshackJP) 2020年3月25日
#mixiCSTechMeetup pic.twitter.com/VOzRGPWoOg
今回技術的なところはばっさりカットしたので話せませんでしたが、オペレーターの判断をモデルにフィードバックしているので日々の対応を学習して賢くなっていく仕組みになっています!
効率化の対象を選ぶポイント
— ゆうのかんや@セキュリティエンジニア(よわよわ) (@yunokanya) 2020年3月25日
・効率化の効果が高い
・作成が難しくない
上記は、AIに限らず他の分野でも同じ事が言えそうですね。
#mixiCSTechMeetup pic.twitter.com/gdgU5ERAAq
ここで言っていることは結局コストパフォーマンスの話でしかないので、他の分野でも同じというのはその通りだと思います! コスト(開発工数)面では機械学習を使う際には「機械学習 vs 他の手法」で検討されることはあると思いますが、機械学習の中でも選ぶ問題によってコストが変わってくるということ。 パフォーマンス面では時間軸も考慮に入れて効果が高いところを効率化するということがサービスの方針に依存することが多いCSでは大切かなと思いました。
機械学習を導入しようとする過程において、CSチームと一緒に取り組むこと自体、すごく価値がある気がする。「人間が分類した時に回答が一致するかどうか?」「機械学習を使う必要があるか?(他の解決策あるのでは?)」という問い、気づきが多そう。 #mixiCSTechMeetup
— たなけん (@tanaken0515) 2020年3月25日
本当にその通りだと思います! 効率化にあたり調査する中で見つかって別の方法で改善された問題もありましたので、まずはCSについてデータをもとに分析してみるといろいろな気づきがあると思います。
たしかに、そもそもFAQとかで自己解決率をあげる努力が前提で、そのあとの自動回答ですね#mixiCSTechMeetup
— Yujiro Shin (@ShinGmow) 2020年3月25日
ユーザ目線で何が一番良いかを考えることってとても大切ですが忘れがちな部分でもありますよね。 CREとしてはユーザーとCSに寄り添ってベストな仕組みを考え提供していきたいなと思っています。
感想
初めてのオンライン登壇 & 想像以上に多くの方に参加していただき緊張しましたが、様々な声を聞くことができてとても楽しかったです。 CS界隈はエンジニアに比べると情報共有の機会が少なく、みなさんそれぞれの場所で孤軍奮闘されていると思います。 サービスによって問い合わせやオペレーションも異なりなかなか他社のノウハウを活かせない部分もあるかもしれませんが、今後も自身の取り組みを紹介して少しでも誰かの役に立てると良いなと思いました。
うちでもイベントやりたい!という声もありとても嬉しかったです! みんなで情報共有しながらCS界隈としてわいわいやれると楽しそうですね!
今日のまとめ「弊社でもCS Tech Meetupやるぞ」 #mixiCSTechMeetup
— なおぱー (@naopr) 2020年3月25日
CSは社内もそうだけど社外との知見共有の場が少ないからこういう場は嬉しいわね #mixiCSTechMeetup
— d_saito(齋藤大輔) (@d_saito2110) 2020年3月25日
今後について
今回紹介したテンプレ推薦システムはまだリリースしたばかりで、まだまだ改善していけると考えています。 まだまだ効率化できると思っているのでまず今年は改善を進めていきたいなと思っています。
その先としてもいろいろアイデアはあったりします。 学習したモデルは他の箇所でも利用できると思うので問い合わせの前段階で利用することで自己解決率の向上もできると考えています。 また、今は問い合わせ文だけでテンプレを推薦していますが、ユーザーのアプリの利用状況によって対応が変わるケースでも正しいテンプレを推薦できるようにユーザーの情報もインプットに加えられると良いなとも思っています。
他にも改善できるところはたくさんあると思うので、CSの理解を深めて改善を進めていきたいと思います。
2019年の振り返りと来年のなんとか
2019年ももう終わりということでざっくり振り返ってみました。毎年定点観察することで見えてくるのもあるのかなということで、内容はしょうもなくても続けていきたいなーと思ってます。
それではいきましょー。
仕事編
2年目になりました。
1年目と比べて考えないといけないことが増え、仕事って難しいなーと思うようになりました。これまで見えなかったことが見えるようになってきた証拠だと思うので、一応成長はできているのかなと思います。
新しい事としては登壇など外で発表する機会を頂いて成果を発信することができました。あときちんと本を読むようになりました。業務後に活動する余裕ができたということもありますが、仕事の中で学びたいと思うことがいろいろ見つかるようになったことも大きいかなと思います。kindleを見ると15冊はちゃんと読んだみたいでした。途中まで読んだ本や積まれている本が溜まっているので頑張って読んでいきたいと思います。
ラグビー編
W杯イヤーということで今年もいっぱい楽しみました。
サンウルブズのシーズンチケットを買って観に行ったり、W杯もスタジアムに行ったりテレビで観たりと思う存分楽しみました。サンウルブズ6試合とW杯5試合とレベルの高いラグビーを生でいっぱい見れてめちゃくちゃ良かったです。家族や友達、先輩・後輩など様々な人と試合を見たり、スタジアムやスポーツバーで出会った人と仲良くなったり、ラグビーを通していろんな人とコミュニケーションを取れたのも楽しかったです。
音楽編
今年はこれまで以上に音楽を聴いた1年でした。
Spotifyによると12月頭時点で114,834時間も再生してたみたいです。こんなにいろいろ聴き出したきっかけは3月に人生で初めてフェスに行ったことだと思います。フェスで様々な新しい音楽に触れてからは積極的に曲を探すようになり、いいなと思ったアーティストはライブに行くようになりました。気付けばフェス2つとライブ4つ行ってたので十分に楽しんだ1年でした。
その他
他には何回か脱出ゲームに行ったり野球やサッカーも観に行ったりしました。久々に海外(ドイツ)に行ったり初めて同級生の結婚式に参加したのも今年のハイライトですかね。旅行で九州と北海道に行ったりもしました。あと今から台湾に行ってきます。
振り返ると今年はこれまでで1番いろんな場所に行った年でした。それだけ健康でいられたということなので良かったと思います。
来年の話
仕事については来年は社会人3年目ということで1つの区切りかなと思っています。区切りというのは転職とかそういうのではなく、何となく3年で社会人第1章が終わると感じていて、3年でこれをやった・これができるようになったと言えるものを持ちたいという感じです。また、20代という意味では社会人3年は折り返し地点でもあるので、来年が終わる頃には20代の残り3年で何をするのかが明確になっていると嬉しいなーとも思ってます。学生だと今しかできないと思っていろいろやるのが社会人になると来年でもいいやと思ったりしがちなので、勝手に来年を勝負の年と決めて、最終学年的な感じで頑張ることにしました。
仕事以外だと何か新しいことをやりたいなと思ってます。全く新しいことをやってみることで気付いたり感じたりすることがあると思うので、新しいことは積極的にやっていきたいです。
2019年お世話になった方々、ありがとうございました。2020年もよろしくお願いします(*・ω・)ノ
gamescom 2019に行ってきた ミ(/・ω・)/
ドイツのケルンで毎年開催されているgamescomに行ってきました!
gamescomとは
毎年ドイツのケルンで開催されているゲーム系のイベントです。 E3、TGSと並んで世界三大ゲームショウと呼ばれる大きなイベントであり、参加者数で見るとE3やTGSより規模の大きなイベントです。 (日本だとあまり聞かないので僕は知りませんでしたが・・)
ドイツ中のゲーマーが集まるイベントとのことで、現地は非常に盛り上がっていました。
ざっくりスケジュール
4泊6日で行ってきました。
8月19日:0時10分発の深夜便でドイツへ。ドイツ(フランクフルト)へは現地時間朝5時に到着。デュッセルドルフのホテルに移動後デュッセルドルフの観光とかイベントに向けての準備。
8月20日:gamescom 1日目(ビジネスデイ)
8月21日:gamescom 2日目(一般参加日)
8月22日:gamescom 3日目(一般参加日)+ケルン観光
8月23日:朝一でチェックアウトして空港へ移動。現地時間12時10分に出発。
8月24日:日本時間朝6時半頃に到着
gamescomの詳細
ビジネスエリア
Trade visitorのみが入る事のできるエリアです。 4ホール分のスペースを使っており、ゲームを作っている会社はもちろん、ミドルウェアやローカライズの会社などゲームに携わる様々な会社が並んでいました。 ゲーム業界については詳しくないのでこんな会社もあるんだなぁと思いながら見ていました。
基本的には商談スペースになっており、アポがないと入れないブースが多かったです。 EAが1ホール丸々使っていて、ちらっと見える箇所がとてもおもしろそうだったのでダメ元で突撃しましたがやっぱり跳ね返されました。
たまにオープンスペースになっていたり、ゲームが展示されていたりする箇所があり、その辺りを見て楽しみました。
一般参加以降はビジネスエリアの休憩所だと比較的空いていたので、人混みから逃げるようにビジネスエリアを活用していました。
エンターテインメントエリア
ゲームの試遊会や、新機能の発表イベントなどが行われているエリアです。 全部で5ホールありました。 と言ってもそれぞれのホールがめちゃくちゃ広いのでビジネスエリアの3倍ぐらいの規模はあったと思います。
日本でよく聞くゲーム会社はもちろん、海外で有名なゲーム会社も並んでいました。 ゲーム好きな自分としては知ってる会社やゲームがいっぱい並んでいてとても楽しかったです。
年齢制限があるゲームも試遊できるため、制限があるゲームはプレイ画面が見えないようにブラインドで覆われていたりしました。 参加者を見ると中学生・高校生が友達と来ているケースも多かったので、きちんと配慮されていて素晴らしいなと感じました。
その他のエリア
その他にもいろいろなエリアがあったのですが、個人的に面白かったブースを紹介します。
indie village
indie villageでは数々のインディーゲームが展示されており、自由に遊ぶことができました。 エンターテインメントエリアとは違って列も長くないため、気軽に遊んで回ることができました。
公式サイトにはインディーゲームが今年の目玉の1つと書いてあり、実際非常に盛り上がっていました。 パンフレットによると2013年にインディーゲームのブースが開設され当時は10の展示しかなかったそうですが、今年は108種類のゲームが展示されていたみたいです。 gamescomの公式グッズとは別にindie villageでグッズを販売していたりもしていました。
見たり話を聞いたりしたところリリースを控えているゲームが多く、ここで認知を広げたいというような感じでした。 いわゆる趣味で開発されているゲームではなく、一発当ててマルチプラットフォームに展開するぞというゲームが多かったです。 開発の規模としては1人で開発されているゲームもあれば、4人程度の小規模で開発されているゲームもありました。 日本ではこのようなゲームはあまり無い印象なのでドイツではなぜこんなにも盛り上がっているのかが気になりました。 (それを聞いてこいという話なのですが結局聞けず・・)
中でも面白かったのはVR Giantsというゲームです。 VR Giantsは1人がコントローラで小人を操作し、もう1人はVRで巨人を操作しながら協力してステージをクリアするというゲームです。 いわゆる協力するゲームはよくありますが、それぞれのキャラクターも違えばコントローラも違い、それぞれに役割があって両方が楽しめるゲームだなと感じました。
gamescom campus
子供向けのエリアではプログラミング教室が開かれていました。
日本だと1人1台PCが用意されそれぞれで何かを作成することが多いと思いますが、こちらでは1台のPCに対してみんなでプログラミングをしていました。 中の話は聞こえない(聞こえても多分ドイツ語なのでわからない)のですが、前で1人の子供が代表して操作をしており、他のみんなは発言したり手を挙げたりして参加していました。 ペアプロをすると様々な発見があることはペアプロ経験がある人だとわかるかと思いますが、子供のころからそのような経験ができることは非常に良いなと感じました。 1人でもくもく作るのも良いですが、みんなのアイディアを取り込んで1つのものを作るのも楽しいですよね。
開発はScratchでしていました。 院生時に小学生向けのプログラミング講座にTAとして参加していて、その時もScratchで開発していたので懐かしかったです。
感想(gamescom編)
- とにかく規模がでかい。ビジネスデイでもそこそこ多いし、一般公開日になると試遊会はどこも2時間待ちが普通
- ドイツのイベントなので会場内のイベントは基本ドイツ語でわからない
- ドイツ人は英語も話せるので1対1でのコミュニケーションは取れる
- 参加型のイベントが結構多かった印象。有名人と対戦できるイベントや参加者同士で対戦して勝ったら賞品が貰えるイベントとか
- 展示されているゲームのグラフィックがいかにも海外って感じだった
- 多分日本人には受けないんだろうけど、ドイツの人はこれが好きなんだろうなぁという違いが見えて面白かった
- Xboxのブースがとても広く、日本ではあまり聞かないので驚いた。
感想(観光編)
デュッセルドルフ
- 日本人が多い街と聞いていたが思ったより日本色が強かった
- ラーメンや和食レストランなどが充実していたので、現地のご飯が合わない人でもなんとかなりそう
- 公園や緑が多くみんなゆったりと過ごしている印象を受けた
- 地ビールのアルトビールは飲みやすい黒ビールだった
ケルン
※ビールに関しては素人なので適当な感想です
やっておいて良かったこと
- Opening Night Liveを見る
- 1日目の前日にOpening Night Liveというイベントがあり各ゲームの新情報公開などされていた
- イベントの雰囲気や目玉がぐっと詰まっていたので見ておくと良いと思う
- 自分の気持ちも高まるのでおすすめ
- Twitterでの情報収拾
- 公式アカウント、運営や参加者の中で有名な人、ハッシュタグなどを常にウォッチしていた
- イベントの中でどのブースが盛り上がっているかがわかる
- 大きなイベントの場合全てを回りきれないと思うので、どこに行くかの検討材料になった
- 初日にスーパーで水を爆買い
- 結構乾燥していて辛かった
- そこらへんで水を買うと結構な値段するので悲しくなる
やっておいた方が良かったこと
- 簡単なドイツ語の勉強
- ヨーロッパだったら英語でいけるだろうと特にドイツ語の勉強はせずに行ってしまいました
- ドイツ語を話そうという姿勢があるだけで距離が縮まるのですぐ仲良くなれると思います
- 現地の人から聞く情報は見て得られる情報と質が桁違いなので、仲良くなるためのツールとしてドイツ語を勉強しておくと良かったと感じました
- 3日間イベントを回りきる体力作り
- 普段デスクワークをしていると3日間立ちっぱなしというのは非常に疲れました
- 体力が無いと休憩が多くなってしまったり早めに切り上げざるを得なくなってしまうので少しもったいないなと思いました
総括
初めてゲーム系のイベントに参加したのですが、様々なゲームが展示されており率直に楽しかったです。 日本とドイツの違いを感じる場面も多々ありましたが、結局みんなゲーム好きなので話しかけると盛り上がり、そういう意味ではみんな一緒だなと感じました。
新情報などはネットでも見ることができるため、せっかく現地に行くなら現地でしかわからないこと・感じられないことを持って帰ってこようと思っていましたが、盛り上がりの熱量や参加者の本当にゲームが好きそうな感じは現地に行ったからこそわかったことかなと思います。 一方でもう少しいろいろな話を聞ければ良かったのですが聞ききれなかったことはもったいなかったなぁと思いました。 来年にはgamescom asiaがシンガポールで開催されるので、そちらに参加したりTGS・E3にも参加してみたいなと感じました。