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自由気ままにつらつらと

Customer Support Tech Meetup #2で登壇しました(〃^∇^)ノ

先日ミクシィ主催で「Customer Support Tech Meetup #2」を開催しました。

mixi.connpass.com

僕は「問い合わせ対応のデータを宝の山にするために」というタイトルで#1に引き続き発表しました。

発表内容について

データを活用して何かをするにあたり、まずは正しいデータを収集しなければデータを活用することはできません。 大量のデータがあるから分析したいという時に泥臭いデータクレンジングから始まると思いますがデータの質のよっては全て再収集する必要があります。

今回はデータの質の問題でデータ活用ができなかった事例を通して、質の悪いデータが生まれるいくつかのパターンについて紹介しました。 紹介した事例は以前ブログで紹介されている事例だったのですが、少し掘り下げて詳しく話をしました。

medium.com

発表の裏話: なぜこのトピックで発表したのか

今回このトピックを選択した理由は、僕が機械学習を用いたCSの改善を進める中で機械学習のモデルを組む部分よりもデータセットを用意する部分で苦労したという経験があるからでした。 また、良質なデータセットを作成するためにはデータについて理解が深いCSの方がいる、もしくはCSとエンジニアが協力することが必要不可欠だと感じたため、そのことが伝えられればと思いながら発表しました。

技術的な観点で考えると、現在「AIを作成する」ということ自体は難しいことではなくなっています。 AWSGCPではデータセットだけ用意すれば自動で学習してもらうことができたりします。 機械学習を使ったことが無い人であっても本を読んだり参考になるコードを見ながらモデル構築はできますし、世の中にない新しいモデルを構築して学習するとなると話は別ですが、まず手始めに試してみるということのハードルは非常に低くなっています。

しかし、どれだけクラウドサービスなどが充実して機械学習を誰かに任せられるとしても、データセットを用意するということに関しては必ず行う必要があります。 データセットの用意まで他社のサービスが代替してくれることはありえないでしょう。 SaaSを導入すればデータを見ていい感じに推薦などしてくれるかもしれませんが、どこまでいっても「問い合わせにラベル付けをおこなうこと」は必ず行う必要があります。 (教師なし学習の利用によってこの辺りもなくなることがあるのかもしれませんが、、)

そのため、CSでAIを活用して何かしよう!と思った時に力を注ぐべきはAIを作成することではなく良質なデータセットを集めることです。

そして、大量の良質なデータセットを集めるためには日々の運用フローの構築が大切になります。 データが必要になった時に0から蓄積するのは大変ですし非常に多くの時間が取られてしまいます。 しかし良い運用フローを構築できれば日々問い合わせ対応をするだけで良質なデータが蓄積されていきます。

ではどのような運用フローを構築すれば良いのかというと、それはそれぞれの現場に依ると思いますし、絶対的な解はなく常に解を求め続ける必要があると思っています。

おまけ: CSのデータ分析がプロダクトにとって大切な理由

問い合わせ対応のデータは顧客の声そのものであり、プロダクトを成長させるために重要な役割を果たすデータだと思っています。 特にCSの持っているデータはプロダクトの中で得られるデータを組み合わせることでより多面的にユーザーやサービスを分析することができます。 そして、このような分析ができるのはCSのようにプロダクトの外で得られるデータを持っているチームだけです。

CSの持っているデータとプロダクト内で得られるデータをフルに活用するためにはCREのようなCS専属のエンジニアが必要と考えています。 また、様々な理由でCREを置けないとしても、データについて理解のあるCSの方が増えればデータ活用への道は大きくひらくことができると考えています。

最後に

弊社のCS・CREもまだまだデータをフル活用できているとは言えません。 ユーザーへの返信の早さ・質を保ちながら(できれば向上しながら)良質なデータを蓄積するための運用フローを考え、実際に蓄積されたデータを活用するためにはやらなければならないことがまだまだ多くあります。 エンジニアとして様々なモノを作りつつ、作るだけでなく機能させていくというところは大変ではありますが、CSがどんどん変わっていく様子を見るととても楽しいと感じます。

もしこのようなCREの仕事に興味を持ってくださった方がいれば、絶賛採用中なので話を聞くだけでもぜひ来てください!

株式会社ミクシィ | Customer Reliability Engineer (CRE)<CS部>

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